Neuroconditioning
神経保存治療とは
【歯の神経をとる】=【歯が死ぬ】
歯の神経をとる前に知っておいてほしいこと
上の4例はすべて歯の神経をとる処置をおこなった歯です。
こうなってしまっては、もう抜歯するしかありません。
歯の神経は歯の中心部にある組織で、血管や神経線維、リンパ管などで、 構成されています。それらを利用して歯に栄養が送られています。
歯の神経をとることのリスク |
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神経保存治療とは
歯髄が虫歯や外傷などにより露出してしまう場合に、その歯髄を可能な限り保存し、
歯の健康を保ち、その歯の寿命をより長くする治療法です。
歯の神経や血管が収まる歯髄(しずい)まで、またその付近に虫歯(外傷性)が進行した場合、その後の感染や痛みを防ぐため、多くの場合は神経を取り除く「抜髄(ばつずい)」が行われてきました。しかし、神経を抜く事は歯の寿命を縮めるリスクであり、そもそも抜髄後の根管治療自体が複雑であるために、専門医の治療以外は再治療となる確率が60%以上との統計が出ております。こうしたことから出来るだけ神経を残す「神経保存治療」は昔から存在していました。ただし実際に残そうとしてもうまくいかないことが多く、メジャーな治療法ではありませんでした。
しかし、近年歯科医療の進歩により、この「神経保存治療」の精度が格段に向上しその信頼性が高まっています。つまり、今まで抜かなくてはならなかった神経を、保存できる確率が高くなったのです。
「神経保存治療」には、虫歯(外傷性)の進行状態により、いくつかの方法があります。
必ず成功するわけではありませんが、やみくもに神経を抜いていた従来の治療に比べると、神経を保存でき、歯の寿命を延ばせる可能性が高まりました。
神経を抜いた場合
神経保存治療
歯の神経を残す治療法 説明&比較
ドックベストセメント治療・歯髄保存療法(MTA・水酸化カルシウム)
図表①のように虫歯が進行し、図表②のように一度は穴を埋めたとしても、その治療の精度が低いと図表③のように二次虫歯が発生してしまいます。虫歯の範囲が広がり痛みが出る状態にまで至ってしまった場合は、通常の保険治療であれば、図表④の根の治療が必要になってしまいます。下記は根の治療から被せ物を取り付けるまでの工程です。
神経を取る(抜髄) → 根のお掃除を行う(根管治療) → 根にお薬を入れる(根管充填)
土台を作る(支台築造) → 被せ物の型取り(形成&印象) → 被せ物を取り付ける(図表⑤)
上記のように治療の流れは通院回数が最低でも6~7回かかり、最終的に保険治療費も高くなります。その上、神経もなくなり、歯も大きく削られるため、寿命は大幅に短くなってしまいます。図表⑥の被せ物を取り付けた後も被せ物の中で虫歯が広がることは珍しくありません。神経を取ってしまった歯は痛みを感じないため自覚症状はほとんどなく、気付いた時には保存不可能となってしまうことも多いです。(図表⑦)
それに対して、神経保存治療法【ドックベストセメント治療or歯髄保存療法(MTA・水酸化カルシウム)】によりほぼ2回の通院で治療が終わります。さらにもっと重要なこととして、神経を残すことにより歯の寿命を延ばすことができるのです!
ドックベストセメント治療・神経保存療法(MTA・水酸化カルシウム)は
保険適用外治療ですが、大事なのは
治療回数が減るということよりも、歯を強いまま残すことです!
歯の神経を残す「MTAセメント充填法」
・むし歯が深く、従来の薬剤・治療方法だと歯の神経を取らないといけないケース
・根の先の感染が、根の治療だけでは治らないケース
・根の歯質にヒビが入っていたり、穴があいてたり...
本来抜歯となるケースでも、MTAセメントを使うことにより、回避できる可能性があります。
生体親和性の高い(体に優しい)成分
MTAセメントは為害作用がなく、生体親和性の高い身体に安全な材料です。
主成分:ケイ酸カルシウム
有害な重金属(Cr、Cd、As、Ni等)が全く添加されていません。
強い殺菌作用
MTAセメントは強いアルカリ性があり、通常ほとんどの細菌は、pH9.5で破壊されます。硬化初期は強アルカリ性(pH12.5)を、4週間後でもアルカリ性(pH7.5)を示します。
保護層の形成促進
強アルカリが組織に作用することにより、良質な保護層の形成促進が期待できる。
高い封鎮性
セメントが硬化するときに膨張する(通常のセメントは硬化すると収縮する)為、緊密に封鎖することができる。この膨張により細菌が繁殖する隙間をなくすことができる。
親水性に優れている
水、唾液、組織液、血液などで濡れている状態でも硬化する。通常のセメントは、湿った状態だと固くならなかったり、接着力が低下する。MTAセメント自体が歯と接着するので最近の侵入を食い止める働きもあります。
変色しにくい成分
X線造影剤に「白色カルシウムジルコニア複合物」を使用。覆髄後に暗く変色しにくい。これまでは覆髄後に歯の変色を招くおそれがあるため、前歯への適応は避ける必要があった。
MTAセメント充填法の流れ
Step 1
古い銀歯の下に大きな虫歯が...!
Step 2
虫歯が青く染まる液を使用して削っていく
Step 3
神経が露出...!
Step 4
MTAセメントでふさぐ
注意点
適応症が限られています
MTAセメントによる覆髄処置は、非感染生活歯髄が適応症になります。何をしなくてもズキズキ痛む、温かい物でも痛むなどの炎症歯髄や感染歯髄は非適応症です。
※治療を行う前に精密な検査・診断を行いMTA使用の可否をご説明致します。
歯の神経を保存できない場合もあります
歯の状態によっては治療後に、歯の神経の炎症などによる神経を取る処置が必要になる場合があります。
100%歯や歯の神経が保存できるというわけではありません。
保険適用外の治療です
MTAセメントによる治療は、保険適用外になります。